はじめに
こんにちは!東大ハロプロ研究会のわっぱです。ガチ研記事の一発目を担当させていただきます。
今回は、モーニング娘。の楽曲テンポの傾向を分析しました。
調査の方法と結果
今回調査の対象にした楽曲は、ファーストシングル「モーニングコーヒー」から68枚目の最新シングル「KOKORO&KARADA/LOVEペディア/人間関係No way way」までに収録された、カップリング曲含む全169曲です。
同じ楽曲の別バージョン(Password is 0(モリ娘。 Ver.)など)は除外しています。
14枚目シングル「そうだ! We’re ALIVE」のカップリング曲「モーニングコーヒー(2002 ver.)」、および18枚目シングル「AS FOR ONE DAY」のカップリング曲「Never Forget(Rock ver.)」は含めています。
楽曲のテンポ分析には、メトロノームアプリを用いました。メトロノームのBPMを手動で変更し、楽曲のテンポとぴったりと合うテンポを探して測定しました。
「I WISH」や「この地球の平和を本気で願ってるんだよ!」、「イマココカラ」など曲中でテンポの変わる楽曲は、サビのテンポを分析の対象としました。
まず、A面楽曲に限って発売時期とテンポの関係を散布図にプロットしました。
A面楽曲のテンポは、比較的BPM120~140に集中している様子が見られます。A面楽曲はシングルのメインとなる楽曲であり、キャッチ―で大衆にも受け入れられやすい曲調であることも考慮されているためか、ノリやすいBPM120~140の間に集中しているのだと推測できます。
また、「プラチナ期」と言われる2007年から2010年にかけての楽曲、具体的には「リゾナントブルー」から「青春コレクション」までの8曲は、連続してBPMが120~135という狭い範囲に存在することが分かります。この時期の楽曲のテイストが好まれる秘密は、この似通ったテンポに隠されているのかもしれません。

続いて、B面楽曲、つまりカップリング曲に限って発売時期とテンポの関係を散布図にプロットしました。
A面楽曲に比べてテンポが遅いものから速いものまで分散しているのが分かります。2004年「寝坊です。デートなのに…」から2012年「私がいて 君がいる」にかけて、A面楽曲には多かったBPM110~140の間の楽曲がほとんど存在せず、B面では多様なテンポの楽曲に挑戦していた様子が伺えます。
テンポとは関係ありませんが、2014年「笑顔の君は太陽さ / 君の代わりは居やしない / What is LOVE?」以降はB面楽曲のない両A面シングル・トリプルA面シングルが連続しているため、B面楽曲はほとんど存在しません。

A面楽曲とB面楽曲を合わせてプロットした図は以下です。
全体を見ると、楽曲のテンポの傾向が徐々に速くなっている様子が分かります。
J-POPのテンポが2010年代に高速化している、と評する意見を複数耳にしますが、今回のモーニング娘。楽曲の分析結果からも、その傾向が若干ではありますが見て取れました。
J-POPのテンポの高速化に関する記事
https://realsound.jp/2014/01/jpop-2.html
https://note.com/shiba710/n/n980fbeb19ec1
http://arai1046.blog.fc2.com/blog-entry-173.html?sp

おわりに
以上、今回はモーニング娘。の楽曲のシングル曲およびカップリング曲に限って、テンポの傾向分析を行いました。
引き続き、アルバム曲やハロー!プロジェクトの他グループの楽曲についても同様の分析を行ってみようと思います。
最後に、冒頭で「KOKORO&KARADA」のMVを紹介しましたが、「LOVEペディア」と「人間関係No way way」も是非見てください。この2曲はメロディーは同じですが、歌詞が全く違う内容で、アレンジやダンス、さらには歌のパート割りも全く異なっている楽曲です。
読んでいただき、ありがとうございました。
コメント
[…] 道重さゆみの卒業と12期メンバーの加入を迎えたモーニング娘。’15のシングル楽曲は、以前からのEDM路線とフォーメーションダンスという強みを残しながらも、’14楽曲の特徴の一つであるスピーディーな部分は際立っていません。 実際に 、’14のシングル楽曲(卒業曲除く)のBPMの平均値は約146、対して’15のシングル楽曲のBPMの平均値は約126と、その差は曲のテンポ(BPM)にも大きく現れています。(モーニング娘。楽曲のテンポ分析に関するガチ研記事はこちらから!) […]