「ひとそれ」はなぜヒットした?その理由をヲタクが独自に解明!!
こんにちは!東大ハロプロ研究会のおじさん代表、しんおじです(^^;
最近はコロナの影響で、オタ活ができなくてうずうずしている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、楽曲大賞の1〜10位の分析を行い、歌詞という観点から昨年のトレンドを考察していき…たかったのですが、膨大な量になってしまうため、2019年度楽曲大賞で見事1位に輝いたJuice=Juiceの「ひとりで生きられそう」って それってねぇ褒めているの?に焦点をあて、分析をしていきます。
だいぶ主観が入ってしまいますが、最後までお付き合いください(^^;
第三者による分析
私の分析に入る前に、この記事をサラッと読んでいただくとなぜランクインしたかが大まかに把握できます。
Juice=Juice「ひとそれ」が多くの人の心に響いた理由 山崎あおいの歌詞の魅力から紐解く
上の記事では、山崎あおいが作り出す、「弱さとたくましさが同居する自立した女の子の目線」という世界観が大人の女性を中心に受け入れられたとしています。
また、山崎あおいさんの歌詞については、以前他のメンバーが記事を書いていたので、そちらも参照してみると面白いです!
歌詞に着目していくと、最初は弱さを吐露していた女の子が、最後のほうでは前向きに頑張ろうという強さを表明しています。
それが失恋なのか、人間関係のトラブルなのか、私にはわかりませんが、こういった共感性の高い曲は人の心に突き刺さりますよね。
ここからは、「ひとそれ」がなぜヒットしたのかを歌詞に着目して考察していきます。
歌詞の分析(1番)
・「あなたなしではダメみたいと~目をそらしたわ」(Aメロ)
ドラマのヒロインは「あなたなしでは無理!」と男性に素直に甘えられる系の女の子だが、それと対極的にあって簡単に真似できないひとそれの主人公は、ヒロインが眩しすぎて目をそらしてしまう、というような意味合いでしょう。
・「少しヤワな子ばかり幸せを手にしてく~アンフェアな世の中ね」(Bメロ)
ここから読み取れる主人公の心情として、「どうして自分はまじめに生きているのに、なんでああの子が幸せなんだろう?不公平じゃん!」という疑念とやるせない気持ちがあると思います。
ん?どこかで同じような歌詞を聞いたことがあると思ったら℃-uteの「世界一HAPPYな女の子」の2番にもそんな歌詞がありましたね。
「あの子になんでイケメンの彼が出来んの不公平」
こっちの方がストレートに女子の言いたいことを言っている気がしなくもないのですが、つんく♂さんがストレートな表現を使ったのに対して、山崎さんはよりオブラートで抽象的な表現を使うことでリスナーにより多くを考えさせることができたといえるでしょう。
また、私は「アンフェアな世の中」という表現について少し引っかかりました。あくまで推察ですが、セカハピでは、「私」と「あの子」の単純な二項対立だったのに対し、ひとそれは「私」「やわな子」以外にも「世の中」さえも巻き込んでスケールが大きくなっているところに、主人公の気持ちの沈み具合も同じぐらい大きく反映されていると考えました。
いずれにせよ、人間の一般的な感情である、「嫉妬」「羨望」「ジェラシー」といった要素はハロプロ曲とは切っても切り離せない関係にあるのですね。
・「強がり隠す弱さ誰か見抜いてよ」
ここからは、自分だって幸せになりたいけれど、でも自分は大丈夫だからと強がって本音を晒せない主人公の気持ちが表れているといえます。
ここからは、私しんおじの勝手な妄想ですが、先ほどの「アンフェアな世の中」と考えてしまう主人公の性格を加味すると、「結局ちょっとひねくれててヤワな女でも、顔とかスタイルが良ければモテる訳だし、世の中的にあたしみたいなブスはここでぐっと堪えるべきなんよな。強がるべきなんよな。ああ、でも誰か実は私が陰でめっちゃ強がってる女だってことを見抜いてほしい。見抜ける神みたいなイケメンおらん?」的なことを言いたいんだと思います。
全女性を敵に回したような気がしますが…。まあ、あくまでこれは妄想なので(^^;
ここからはサビです。
・「頼りにしてるよ」なんてそれって喜んでいいの
私はこの歌詞を聞くたび、毎回、仕事仲間?友達?家族?と引っかかります。また推察になってしまうのですが、ここが曖昧になっていることもまた一つ山崎あおいさんの良さが表れているといえます。誰から言われたかわからない「頼りにしてるよ」を使うことにより、この曲を聞いている現代の大人の女性の共感度を上げているのです。
例えば、友達からなら、「○○(ひとそれの主人公の名前)、良いひといるって噂じゃーん?(^^♪今度デートするんでしょ?どうなったか教えてね!(≒頼りにしてるよ)」
職場の先輩からなら、「次のプロジェクト、お前にかかってるからな!頼んだぞ!(≒頼りにしてるよ)」
家族(母)なら「いまの彼氏とはどうなのよ?証券会社に勤めてる杉本さんだっけ?釣り好きでお父さんと趣味一緒なんだから悪い人じゃないわよ~!いい報告待ってるわ(^_-)-☆(≒頼りにしてるハピサマ風のママ)」
という具合に、変なボケも入ってしまいましたが、
世の中の女性は多方向から多数の「頼りにしてるよ」ストレスを抱えすぎているんですね。これだけ言われてしまうと本当に喜んでいいのかわからないし、ひとそれの主人公っぽく疑心暗鬼になりがちになるのも頷けます。こうして深く考えることにより、歌詞の一部を見るだけでもそこには共感性の海が広がっているのだと。。。
おっと話が逸れ過ぎました、すみません(^^;(^^;
・「意地っ張る心だって誰か溶かしてよ」
個人的にはここで、主人公の本音が少し表れつつあると思います。気になったのが、「溶かして」という表現です。私は、主人公の友達がこの意地っ張りを溶かすことはできないと考えました。なぜなら、本当に女の子の気持ちを溶かせるのは、信頼できる友人ではなく、選ばれしイケメンだけだからです。イケメンに優しい言葉をかけてもらって、強く抱きしめてもらわない限り、いじっぱる女子の気持ちは溶かすことができません!!!
よって、「意地っ張る心だって誰か溶かしてよ(ただしイケメンに限る)」ということだったのですね。ああ、なるほど自己完結。(冗談はこのへんで(^^;
歌詞の分析(2番)
・「本当は寂しがり屋なとこ少しだけバラシてしまいたい」
ここではもうどんどん本音を吐露していってると言えます。が、「バラしてしまいたい」なのでまだ強がってる部分も混在しているのでしょう。いつも強そうに見える人も実は寂しがり屋だった、なんてことはよくあります。
・「だけど私自身を~勇敢にならなくちゃ」
この歌詞が、「ひとそれ」におけるターニングポイントです。結局、自分自身を幸せにできるのは自分しかいないことに、ようやく主人公は気づきます。度重なる推察ですが、この歌詞には、「他人は変えることはできないけど、自分の心の持ちよう次第で、幸せを感じることは可能だ」という山崎さんの応援メッセージが含まれており、こういった応援的要素が曲に組み込まれていることはヒットする曲を作るうえで重要です。
2019年の楽曲大賞にランクインした他の楽曲の歌詞を調べていたところ、同じような応援的要素が含まれている曲を多々発見しました。
例をあげると、4位にランクインしていた、モーニング娘。’19の「青春night」では、「幸せってまっすぐ選ぶだけ 幸せをチョイスできない、私はこっから脱出 Get away」と、ひとそれの歌詞と相当親和性があります。こちらは、つんく♂さん作詞曲なのですが、ハロプロ曲には「幸せ」という概念をよく考えさせられますね。
歌詞の分析(Cメロ~ラスト)
・「確かなオアシスとかどこにも残ってない時代さ」
この「確かなオアシス」についても、どういう意味なのか気になります。オアシスとは、元の意味を取ると、砂漠のなかで水が湧き出ている緑地であったり、比喩的な意味では、なにかの慰安となる場所と定義されます。
よく巷で、「昭和や平成を生きてきた人の目指す幸せの形は、単一でみんなが同じものを求めればよかったが、令和の時代は個々人が自ら幸せを見つけ追求せねばならない」といった話を耳にします。かつては、お金や社会的地位、あるいは結婚など、みんなが追い求めていることに乗っかれば良いラクな時代だったといえましょう。
ただし、インターネットなどの技術の進歩が目覚ましいこの令和の時代においては、娯楽コンテンツやジェンダーなどに多様性が生まれ、前時代的な常識はもはや通用しません。一生独身でも、推しメンとゲームさえあれば幸せを感じる人、高額な収入でなくとも、自分のやりたいことがやれて会いたい人に定期的に会えさえすればいいという人、さまざまな考えを持つ人間が存在するようになりました。
そういった意味で、もう確かなオアシスはないのだと。
・「たくましく推し進む力を誇れ」
私がいつも気になる歌詞の一つです。特に「推し」というこの2文字に何か意味があるのではないかと考えてしまいます。先ほどの歌詞の流れを汲むと、「自分で前に進んでいける力を誇っていこう」という意味だと考えられるのですが、ヲタクな私は「アイドルを推している自分のことをもっと誇っていこうぜ」と捉え、なんとヲタクに優しい、自己肯定感の高まるフレーズなんだろうと勝手に感激してしまいました。
妄想ですが、ひとそれの主人公的にこれを拡大解釈すると、彼女も実はジャニヲタかハロヲタなんでしょう。イケメンとかわいいこはやはり大正義なんですね~(^^;
・「ひとりで生きられちゃうなんて~誰か愛したい」
ラスサビの最後の部分です。「ひとりで生きられる=人にあまり依存せず、自立して生きていける」という方程式がとてもかっこいいはずなのに、やはり最後は誰かを愛したくなってしまう。私の考えでは、まず一人で自信もって胸張って生きられるかっこいい女性になってから、誰かを愛したいという意味だと捉えています。最後の最後に「愛」という、ハロプロ曲に限らず多くの曲で謳われるテーマをそっと置いた感じがまた溜まりません。
記事を書いての感想
以上、ひとそれの歌詞分析になります。最初から最後までほぼ個人的主観を書いてしまったので、果たしてこれが分析といえるのかという所ですが、これを機に、ハロプロの歌詞についてもっと深く考えてくれる人が増えてくれることを願うばかりです。
また下にコメント欄を設けているので、私の記事を読んで思ったことや、反論、何か書いて頂けると、新たな知見が得られるのでどんどん書いて下さい。この記事を書いた私は男なので、女性がどう考えているのかなども知れるといいなと考えています。
これからも記事を少しずつ投稿していければと考えています。当方、Twitterもやっていますので、フォローしていただけると嬉しいです。また東大ハロプロ研究会のアカウントもフォローお願いします。
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まとめ
・「ひとそれ」は大人の女性の心情変化を歌った曲
・他のハロプロ曲との親和性あり
・応援的要素と共感性がヒットのカギ
・抽象性をもたせてリスナーの共感を得やすくしている
コメント
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